行政の現場には緊張が走る。総務省の官僚たちが夜遅くまで議論を重ねているのは、法改正の波が情報通信産業全体を呑み込もうとしているからだ。すでに施工されている経済安全保障推進法をさらに進化させ、通信インフラや海底ケーブルの保護、重要機密の漏洩防止策を一層強化する法案の骨子が浮上している。
サプライチェーンの途絶や通信網への不正アクセスは、経済活動を一瞬で麻痺させる。市場を牽引する巨大IT企業から地方の回線事業者まで、規制の強化と支援の拡充という双方の圧力を受ける格好だ。技術革新のスピードに法制度が追いつくかどうかが、日本の産業競争力を大きく左右する局面を迎えている。