今回の電撃対談で最も注目を集めたのは、昭和プロレスの象徴として今も語り継がれる「名勝負数え唄」の知られざる舞台裏だ。1982年の長州による謀反劇から始まった一連のライバル抗争は、ハイスピードな攻防と一瞬の隙も許さない技の応酬で全国のファンを魅了した。対談の中で藤波辰爾は、「長州とリングに上がる時は、いつも命がけだった。あいつのロープワークのスピードと重圧は、他のどんなレスラーとも違っていた」と当時を振り返る。
一方の長州力も、長年胸の奥に秘めていた本音を口にした。「藤波という存在があったからこそ、俺は限界を超えて噛みつくことができた。彼が俺の技をすべて受け止めてくれたから、あの熱量が生まれた」と語り、二人の激闘が単なる憎しみ合いではなく、高度な信頼関係のうえに成り立っていたことを明かした。バックステージでのピリピリとした緊迫感や、テレビ中継の枠に収まりきらない熱狂が生み出された背景には、お互いを誰よりも意識し合っていた二人の特別な絆があったのだ。