多くの人を悩ませる「夕方の毛先のハネ」。特に「なぜか右側だけが外ハネしてしまう」という声は後を絶ちません。サロン現場の毛髪診断データによると、この現象には毛髪科学に基づく3つの明確な構造的要因が存在します。
第一の要因は、日本人の約8割に見られる「時計回りのつむじ(毛流の偏り)」です。つむじが時計回りの場合、左側の髪は前方に流れて自然と内に入りやすい一方、右側の髪は後ろ向きに流れるため、肩や首筋に当たった反動で毛先が外側へ跳ね返ってしまいます。生え癖に逆らわずに毛先だけを内巻きにしても、時間の経過とともに根元の毛流れに引っ張られて崩れてしまうのです。
第二の要因は、「水素結合の冷却不足と水分ムラ」です。髪の形状記憶は、熱によって水素結合が切断され、冷える瞬間に再結合することで固定されます。アイロンを通した直後の熱い状態のまま毛先を触ったり動かしたりすると、カールが定着する前に重力や摩擦で伸びてしまいます。
第三の要因は、「肩・首元との物理的摩擦とスタイリング剤の自重」です。アウターの襟元やストール、首の動きによって毛先が押し出される物理刺激に加え、ヘアオイルを根元付近から過剰につけてしまうと、油分の重みでカールが夕方までにダレてしまいます。