時間を少し巻き戻そう。2016年、雑誌『NYLON JAPAN』のスペシャルガイドで実現したあのビジュアル撮影は、今振り返っても異様な熱量を帯びていた。Karl Lagerfeld(カール・ラガーフェルド)に愛された2人のミューズが、一つのフレームに収まった瞬間だ。
カメラの前に立った彼女の眼光は、当時まだ十代後半とは思えないほど鋭く、どこか刹那的だった。一方、K-POP界の帝王として世界的な影響力を誇っていた彼は、静かな色気を全身から漂わせていた。重なり合う視線、絶妙な距離感、そして無駄な装飾を削ぎ落としたシャネルの服。ストリートとハイブランドが完璧に融合したあの誌面は、アジアの若者文化における「カッコよさ」の定義を一夜にして塗り替えたのである。