池袋大都会の扉を開けてまず目に入るのが、壁際に並ぶ複数台の自動券売機です。この居酒屋におけるすべての体験は、この「食券システム」からスタートします。
客はまず券売機でお目当てのドリンクやつまみの食券を購入し、空いている席を確保します。卓上にはボールペンが常備されており、購入した食券の余白に自席のテーブル番号を記入してカウンターの店員に手渡すのが、大都会における長年の鉄則です。配膳は店員が席まで運んでくれるものの、追加注文のたびに券売機へ向かい、再び番号を書いて渡すというセルフ要素の強い循環が構築されています。
このオペレーションには、経営面における極めて合理的な3つのメリットが隠されています。
第一に、完全前金制による「未回収リスク・伝票処理コストの完全排除」です。居酒屋業界において注文管理や会計作業にかかる人件費は大きな負担ですが、食券制にすることでレジ締めや注文ミスのトラブルを未然に防いでいます。第二に、「ホール人員の最小化」です。スタッフは料理の運搬とバッシングに集中できるため、広大なフロアを極めて少人数のシフトで回すことが可能になっています。そして第三に、過度な接客サービスを排することで、客側にも「誰にも干渉されず自分のペースで飲める」という心理的自由が生まれています。