ランタナを庭に植える最大のリスクとして挙げられるのが、植物体全体に含まれる有毒化学物質の存在です。特に犬や猫を飼っている家庭、あるいは小さな子どもがいる環境では、決して軽視できない健康被害が報告されています。
ランタナに含まれる代表的な毒素は、三環性トリテルペノイドである「ランタニン(Lantanin)」および「ランタジーンA・B(Lantadene A/B)」です。これらの成分は哺乳類の肝臓や胆管系に直接的な毒性を示し、急性肝機能不全や黄疸、さらには光線過敏症(日光を浴びることで皮膚が壊死・炎症を起こす症状)を誘発します。
特に注意すべきは、開花後に実る果実です。完熟すると青黒く変化しますが、緑色の未熟な実には高濃度の毒素が凝縮されています。甘い香りを放つため、散歩中の犬や好奇心旺盛な猫、幼児が誤って口にしてしまう事故が後を絶ちません。犬や猫が誤食した場合、食後数時間で嘔吐、下痢、流涎(よだれ)、嗜眠(ぐったりする)が現れ、重症化すると急性肝不全から命を落とす危険性があります。
さらに、葉や茎の表面には硬く細かいトゲ状の剛毛が生えており、素手で触ると接触性皮膚炎(かぶれや激しい痒み)を引き起こすケースがあります。剪定や手入れを行う際は、必ず厚手の手袋を着用することが鉄則です。