東京都墨田区両国に居を構える刀剣博物館は、公益財団法人日本美術刀剣保存協会(日刀保)の本部を兼ねる、日本刀専門の美術館です。1948年にGHQによる刀剣接収の危機から日本の伝統文化を守るべく設立された同協会は、名刀の保存・研究・公開において極めて重い歴史的責務を担ってきました。
館内3階に位置するメイン展示室では、国宝や重要文化財、重要美術品に指定された古名刀が時期ごとのテーマに合わせて厳選展示されます。名刀鑑賞の最大の醍醐味である「刃文(はもん)」や「地鉄(じがね)」の精緻な表情を際立たせるため、反射を極限まで抑えた高透過低反射ガラスと、刀剣専用に微調整されたフルカラーLED照明が導入されています。これにより、鎌倉時代の剛健な太刀から室町・江戸時代の精緻な刀装具まで、鉄の芸術が持つ微細な変化を肉眼で余すところなく捉えることが可能です。
2026年現在も定期的な名刀展や現代刀職展が企画され、平安・鎌倉期の古名刀から現代刀匠による新作名刀まで、鉄と炎が織りなす最高峰の造形美を間近で体感できる場として国際的な高評価を獲得しています。