ネット上のレシピサイトやSNSでは、「夏野菜は水分が多いからとにかく生で大量に食べるべき」「フルーツは朝一番に好きなだけ摂ればデトックスになる」といった極端な情報が散見されますが、これには重大な落とし穴があります。
第一の誤解は、「初夏野菜の生食信仰」です。きゅうりやトマト、レタスなどの夏野菜には体を冷やす強い作用(寒性・涼性)があります。外気は蒸し暑くてもオフィスや電車の過剰なエアコンで深部体温が低下している現代人が、冷えた生野菜サラダばかりを過剰摂取すると、内臓温度が下がり下痢や基礎代謝低下を招くリスクがあります。新しょうがやニンニク、ごま油を効かせた温かいスープや炒め物に昇華させる知恵が不可欠です。
第二の盲点は、「さくらんぼやびわの保存法」です。「高級フルーツだから」と購入後すぐに冷蔵庫のチルド室へ放り込む人が後を絶ちませんが、これは風味を台無しにする致命的なミスです。さくらんぼは急激な温度変化と湿気に極めて弱く、冷蔵庫内で冷やし続けると糖度が落ちて実が萎んでしまいます。食べる1〜2時間前に冷水でサッと冷やすのが最も贅沢な味わい方です。また、びわも冷気に弱いため基本は風通しの良い常温で保存し、食べる直前に軽く冷やすのが鉄則です。
【プロの結論】初夏の味覚を満喫できる人・慎重になるべき人の判断基準
食による養生を最大化するためには、自身の体調や生活環境との相性を見極める視点が欠かせません。
【積極的に旬の味覚を取り入れるべき人】
朝起きたときに手足のむくみを感じる人、夕方になると靴がきつくなるデスクワーカー、そして梅雨の気圧低下で片頭痛や首肩のコリに悩まされている人です。入梅いわしのオメガ3系脂肪酸による血流改善と、ズッキーニや冬瓜によるカリウム補給が強力なサポートとなります。
【選び方や調理法に慎重になるべき人】
冷え性で平熱が35度台の人や、慢性的な胃腸虚弱を抱えている人です。体を冷やす夏野菜の大量生食は避け、鮎の塩焼きに添える蓼酢(たです)や、新しょうがの甘酢漬けなど、薬味と熱を上手に介在させた調理法を選択してください。