第7話のクライマックスにおいて、視聴者の涙を最も誘ったのが中堂系と白井一馬の対話です。自殺を図ろうとする白井に対し、ミコトは「あなたが死んで何になるの!」と必死に叫びますが、死に囚われた少年の心には届きません。そこに割って入ったのが、かつて最愛の恋人・糀谷夕希子を何者かに惨殺され、8年もの間復讐の念だけに生きてきた中堂でした。
中堂は、かつての自分自身の姿を重ね合わせるように、静かに、しかし激しい感情を込めて語りかけます。
「死んだ奴は答えてくれない。この先もずっとだ。……生きて、許されるように生きろ」
このセリフには、復讐のために生き、自らの人生を呪縛してきた中堂だからこそ言える重みがありました。親友を救えず、一人だけ生き残ってしまった白井が抱える強烈なサバイバーズ・ギルト(生き残りによる罪悪感)。中堂は「死んで楽になること」を拒絶し、「生きて罪悪感と苦しみを受け止め続けることこそが、死者に対する唯一の向き合い方である」と諭したのです。
「死」を選べば、いじめ加害者たちに一時の動揺は与えられても、本質的な反省や救済は得られません。白井の「生きててもいいですか……?」という嗚咽交じりの問いかけは、孤立無援だった少年が初めて他者から「生きる許可」を与えられた瞬間であり、臨床心理学的にも極めて深いカタルシスをもたらす名シーンとなりました。