本作の爆発的ヒットを支えた最大の要因は、1960年代のポップスやソウルミュージックを巧みにゴスペルへと昇華させた珠玉の音楽群と、日本独自の卓越した吹き替え文化にあります。
魂を揺さぶる名曲・挿入歌一覧
音楽プロデューサーのマーク・シェイマンが手掛けた楽曲アレンジは、世俗のポップソングの歌詞をわずかに変え、神への賛美歌へと読み替える鮮やかな手法が取られています。
- 「The Lounge Medley」:冒頭でデロリスたちが歌うナイトクラブのメドレー。
- 「Hail Holy Queen」:聖歌隊が劇的な変貌を遂げる象徴的ナンバー。伝統的な聖歌がアップテンポなロック調へと転調する構成は圧巻。
- 「My God (My Guy)」:メリー・ウェルズのヒット曲「My Guy(私の彼)」の「Guy」を「God(神様)」に置き換えた傑作アレンジ。
- 「I Will Follow Him」:ペギー・マーチの名曲を合唱曲にアレンジしたクライマックスの圧巻ナンバー。
- 「Joyful, Joyful」(※『天使にラブソングを2』):ベートーヴェンの「歓喜の歌」をヒップホップとゴスペルで再構築した伝説のステージ曲。
テレビ東京版と金曜ロードショー版で異なる吹き替え声優陣の魅力
日本のお茶の間に作品を浸透させたのは、声優陣による名人芸の掛け合いでした。特に日本テレビ系「金曜ロードショー」で長年親しまれたソフト版・テレビ放送版では、ウーピー・ゴールドバーグのハスキーでコミカルなニュアンスを中村晃子(または片岡富枝)が見事に表現しました。
さらに、おっとりしたシスター・メアリー・パトリックをさとうあい、気弱なシスター・メアリー・ロバートを石川悦子、威厳に満ちた修道院長を藤波京子が演じ分け、字幕版とは一味違う日本語ならではのテンポ感と親しみやすさを生み出しました。「吹替版のセリフの言い回しを今でも暗唱できる」という根強いファンが多いのも頷けます。