ネット上の情報やSNSの写真だけを頼りに尾鷲を訪れる際、陥りがちな盲点がいくつか存在します。後悔しない旅にするために、現地の真実を正しく理解しておく必要があります。
最大の誤解は、「すべての店舗で常に同じ種類の魚が食べられる」という思い込みです。尾鷲の最大の魅力は天然の地魚にありますが、これは裏を返せば「海の機嫌(気象や潮流)に左右される」ことを意味します。シケが続いた翌日などは定置網が出せず、水揚げ魚種が制限される場合があります。その日どんな魚が入荷しているかは、店舗前の黒板やスタッフへの確認によって初めてわかる一期一会のものであると捉えるのが、港町グルメの正しい楽しみ方です。
さらに、市内の海鮮料理店や定食屋は、定休日が不定期であったり、市場の休場日(主に水曜日や日曜日午後)に連動して営業時間が変動したりする店舗が少なくありません。せっかく遠方から訪れたにもかかわらず、目当ての店が休業していたという事態を防ぐためにも、事前のアカウント確認や電話連絡などの下調べが欠かせません。
また、海鮮丼といえば「酢飯」を前提とする読者も多いですが、尾鷲を含む紀伊半島エリアの食堂では、温かい「白米」の上に刺身を載せて提供するスタイルが一般的です。酢飯を希望する場合は、店舗ごとに対応可能かどうかを確認することをおすすめします。