高級焼き鳥店やこだわりの居酒屋で絶大な人気を誇る希少串「ちょうちん」。このちょうちんの先端にぶら下がっている黄色い玉こそが、まさに鶏のきんかんです。
ちょうちんは、卵巣から伸びる輸卵管(ヒモ、ハツモト、または玉ひもと呼ばれる部位)にきんかんがぶら下がった形状が、夜道を照らす提灯に似ていることから名付けられました。職人の高度な火入れ技術が求められる部位であり、名店と呼ばれる焼き鳥店では、炭火の遠赤外線を利用して表面の膜を破らず、内側をとろりとした半熟状態に仕上げて提供されます。
口に含んだ瞬間、薄皮が「プチッ」と心地よく弾け、中から温かく濃厚な黄身のコクがジュワッと溢れ出します。噛みごたえのあるヒモ(卵管)のコリコリとした淡白な肉質と、きんかんの濃厚な脂質・アミノ酸が口内で混ざり合うことで、他の部位では絶対に味わえない重層的なマリアージュを生み出します。煮込み料理でしっかり火を通した場合は、パサつきのないホクホクとした栗のような凝縮感のある食感へと変化し、調理法によって全く異なる表情を見せる点も食通を魅了してやまない理由です。