茶色を着るときに最大のハードルとなるのが「地味見え(おば見え・野暮ったさ)」の回避です。茶色は赤と黒、あるいは黄色と紫などが混ざり合った中間色であり、単体では収縮や安定の心理効果をもたらします。そのため、全体のトーンが沈みすぎると輪郭がぼやけ、一気に垢抜けない印象を与えてしまいます。
パーソナルスタイリストのポール・ジュルク氏は、「茶色に最も合う色の組み合わせは、茶色の持つ豊かな温もりと深みを引き立てる役割を果たすものだ」と指摘しています。茶色の持つポテンシャルを最大限に引き出すためには、以下の3つの「配色の型」を意識することが基本となります。
第一に「明度差による抜け感の創出」です。ダークブラウンにはクリーンな白やペールトーンを差し込み、視覚的な軽やかさを作ります。第二に「色相の対比(アズーロ・エ・マローネ)」。イタリアの伝統的な伊達男たちに愛されてきた「青×茶」のように、暖色と寒色をぶつけることで洗練された都会的なコントラストが生まれます。そして第三に「トーン・オン・トーンの濃淡グラデーション」。ベージュからキャメル、こげ茶へと滑らかにつなぐことで、クラス感のある装いが完成します。
スタイリングを組む際は、「ベースカラー70%、アソートカラー20%、アクセントカラー10%」の黄金比を意識してください。茶色をベース(70%)にするなら、ボトムスやインナーにアソートカラー(20%)を配し、バッグやシューズ、アクセサリーにアクセントカラー(10%)を置くことで、計算された上級者のバランスが完成します。