グロービス経営大学院(以下、グロービス)の門を叩くビジネスパーソンは年々増加傾向にありますが、ネット上やSNSでは時に辛辣な意見が散見されます。調査を進めると、ネガティブな評価が生まれる背景には明確な構造的要因が存在していました。
最も多く見られる「意味ない」という言説は、学術的なMBA(Master of Business Administration)と実務直結型専門職大学院の差異に対する無理解から生じています。伝統的な大学院が経済学や経営理論の学術研究論文を重視するのに対し、グロービスは徹底した「ケースメソッド(企業の実際の事例を追体験して議論する手法)」を採用しています。そのため、博士課程への進学を目指す層や、緻密な統計分析・理論構築を期待する層からは「実務の延長に過ぎず、学問としての深みがない」と批判されやすいのです。
また、受講生の熱量の高さが外からは異質に映る点も挙げられます。受講生同士がディスカッションを重ね、志(自らの存在意義やキャリアビジョン)を語り合うカルチャーに対し、ネット掲示板やSNSでは「独特のノリが宗教的で馴染めない」「意識が高いだけで実務能力が伴っていない」といった冷ややかな声が投稿される傾向にあります。
しかし、オープンワークや各種口コミサイトに寄せられた現役生・卒業生の実体験を精査すると、現場の評価は対照的です。「明日から職場で使えるフレームワークが身についた」「他業界の意思決定スピードを肌で知り、自社の常識を疑う視点が得られた」といった実践面での満足度は極めて高く、批判的な外野の声と当事者の実感には明確なギャップが生じています。