流行が過熱する一方で、インターネット掲示板や保護者世代の間では強い批判と懸念が巻き起こりました。ここには、文脈を知り尽くしている「ネット古参・保護者層」と、文脈を削ぎ落として楽しむ「現役高校生層」との間に、決定的な認識の断絶が存在していました。
Yahoo!知恵袋や大手SNSの投稿ログを検証すると、ブーム当時から以下のような深刻な相談や告発が相次いでいました。
- 知恵袋での相談実例: 「高校の友達とノリでTikTokに制服でアヘ顔動画を上げたら、まとめサイトに転載されて特定されそうになっている。どうすれば消せますか?」
- オタク層・ネット古参からの反発: 「本来ゾーニングされるべき成人向けの記号を、未成年が制服を着て公開アカウントで晒すのは危機管理能力が欠如している」
- 保護者・教育現場の困惑: 「学校の集団写真や体育祭のプリクラで舌を出して白目を剥くポーズが流行しているが、性的な意味合いを知っている親からすると非常に不快で指導に困る」
女子生徒たちにとっては「面白い変顔」「仲間内でのウケ狙い」に過ぎなかったポーズが、検索エンジンや悪質なキュレーションサイトに一度アーカイブされると、元来の性的な文脈と結びつけられ、容易にデジタルタトゥー(消せないネットの傷跡)へと転落する危険性を孕んでいました。記号の無邪気な消費と、インターネット空間における情報の非可逆性というリアルのギャップが、ここで大きな社会問題として浮き彫りになったのです。