ネット上で頻繁に飛び交う「青シャンプーを使うと髪が緑色(マット)になる」というトラブル。この現象は不良品や配合ミスではなく、初等色彩学における絵の具の混色と同じ物理現象によって引き起こされています。
日本人の髪は、ブリーチの回数を重ねるごとに「黒褐色(ユーメラニン優位)→赤褐色→オレンジ→黄色→ペールイエロー(白金)」へとアンダートーンが推移します。ここで重要となるのが、髪に残っている「黄色」の存在です。黄色く抜けた画用紙の上に青い絵の具を薄く塗ると鮮やかな緑色になるのと全く同じで、16トーン前後の黄ばみが強く残った髪に高濃度の青染料を重ねると、視覚的に明らかなマットグリーンへと転換してしまいます。
多くの人が陥る「カラーシャンプー青黄ばみ真相」の核心は、黄ばみを打ち消す補色は紫色であって青色ではないという事実の見落としにあります。色相環において黄色の対極に位置するのは青紫〜紫です。黄色を白っぽく無彩色に近づけたいケースで青シャンプーを投入してしまうと、補色による中和ではなく「黄色+青色=緑色」の加法混色が成立し、結果として毛先が意図せぬモスグリーンに変色してしまいます。