国民生活センターや各地の消費生活センターには、在宅副業を巡るトラブル相談が毎年のように寄せられています。なかでもシール貼り内職における詐欺の手口と真相を解剖すると、共通した心理誘導のパターンが見えてきます。
最も典型的な手口が、シール貼り在宅ワークを騙る登録料トラブルや資材購入商法です。応募直後は親切な対応を見せ、「作業を始めるための事前講習費用」「専用器具(ピンセットや作業マット)の購入代金」「初回登録料」「システム利用料」などの名目で数千円から数万円の支払いを要求してきます。業者は「仕事を行えば数ヶ月で回収できる」と説明しますが、入金した途端に連絡が途絶えるか、難癖をつけて検品を通さず報酬を支払わないケースが頻発しています。
近年ではSNSやメッセージアプリを介した新手口も確認されています。「シール貼り案件を紹介する前に、簡単な副業適性テストを受けてほしい」と持ちかけ、指定のアプリ登録や別サイトへの個人情報入力を促し、最終的に高額な情報商材や投資詐欺へと誘導する「入口型トラップ」です。
厚生労働省が定める家内労働法および関係法令の指針においても、正当な委託事業者が労働者から保証金や登録費用、講習費を名目に金銭を徴収することは認められていません。「作業を始める前にお金を払わせる業者」は、名目を問わず悪質業者と断定して間違いありません。