インターネット上の掲示板やSNSでは「モモンガを飼いたい」「ムササビはペットショップで買えるのか」という疑問が頻繁に交わされていますが、ここには重大な法的・生物学的盲点が存在します。
結論として、日本に自然生息するムササビ、ニホンモモンガ、エゾモモンガをペットとして飼育することは法律で完全に禁止されています。これらは鳥獣保護法と捕獲制限(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)によって厳格に守られており、学術研究などの特殊な許可がない限り、捕獲・譲渡・飼育の一切が認められていません。これがムササビペット飼育禁止理由の核心であり、違反した場合は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されます。
では、ペットショップで見かける「モモンガ」は何者なのか。その大半は、オーストラリアやパプアニューギニア原産のフクロモモンガです。名前にモモンガと付き、皮膜で滑空する姿は酷似していますが、リス科の齧歯類ではなくカンガルーと同じ「有袋類」に属する全く別の生き物です。
家庭で迎え入れる場合のフクロモモンガ飼育方法には、野生由来のデリケートな性質への配慮が不可欠です。主食には専用ペレットに加え、果物や昆虫ゼリーなどの高タンパク・高ビタミン食が必要となり、寒さに弱いためケージ内は年間を通じて24〜28℃の温度管理が求められます。夜行性特有の夜間の活動音や強い縄張り臭への対策も欠かせません。