電波人間タックルを語る上で欠かせないのが、岬ユリ子を演じた女優・岡田京子(本名:長沼京子)さんの存在です。
当時わずか16歳で役に抜擢された岡田さんは、過酷な特撮現場においてスタントマンに頼り切ることなく、自らアクションシーンに果敢に挑戦しました。城茂役の荒木茂さん(後の荒木しげる氏)は後年の手記や特番インタビューで、「岡田さんは本当に素直で一生懸命だった。過酷なロケでも弱音を吐かず、現場の誰もが彼女を妹のように可愛がっていた」と述懐しています。
岡田さんは番組終了後、本作のメイクを担当していたスタッフと結婚して芸能界を引退。穏やかな家庭生活を送っていましたが、1986年8月12日、持病の気管支喘息の発作により27歳という若さで急逝しました。この突然の悲報は、荒木さんをはじめとするストロンガー関係者に大きな衝撃と深い悲しみをもたらしました。
それから約34年後の2009年、映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』において、電波人間タックルは再びスクリーンに甦ります。このリメイク版で岬ユリ子を演じたのが、当時15歳の広瀬アリスさんでした。
広瀬さんは門矢士(ディケイド)との切なくも力強い関係性を見事に演じ切り、昭和版への深いリスペクトを払ったアクションを披露。岡田京子さんが遺した情熱は、世代を超えて現代のトップ女優へと確実に受け継がれました。