愛希れいかさんの代名詞とも言える作品が、ミュージカルの金字塔『エリザベート』です。2018年の宝塚サヨナラ公演で見せたエリザベート役は、少女時代の天真爛漫さから、皇室での孤独、老境に至るまでの精神の彷徨を圧倒的な熱量で描き出し、観客と劇評家の双方から絶賛を浴びました。
当時、ファンの間で囁かれた「退団理由の経緯」についても、彼女自身が「エリザベートという大役を全うしたことで、宝塚でやるべきことをすべてやり切ったという充実感があった」と振り返っています。娘役として前人未到のキャリアを築き上げたからこそ、次なる表現の荒野へ飛び出すための円満な卒業でした。
退団後、彼女は東宝版のグランドミュージカル『エリザベート』でもタイトルロールにキャスティングされ、花總まりさんらレジェンド俳優たちと並び立ちました。劇場の隅々まで響き渡る芯のある歌声と、男役出身ならではの体幹を生かした重厚な立ち居振る舞いは、「当代随一のエリザベート」として不動の評価を確立しています。