日米のトッププロにおいてツーシームが重宝される背景には、トラッキングデータ解析に基づいた「ゴロを打たせる圧倒的なメリット」があります。
セイバーメトリクスの普及により、長打(本塁打)のリスクを極限まで抑えつつ、最少の投球数でアウトを積み重ねる手段として「グラウンドボール(内野ゴロ)誘導」の価値が再評価されました。三振を奪うには最低でも3球、ファウルを打たれれば5〜6球を要しますが、ツーシームでバットの芯を外せば「1球で1アウト」または「1球でダブルプレー」を成立させることが可能です。
打者目線での証言を検証すると、ツーシームの恐ろしさは「球速が落ちないため見極めがつかない」点に集約されます。打者はリリース直後、ボールの回転と初速から「真ん中高めのフォーシーム」と認識してスイングを始動します。しかし、ベースプレート手前約1.5メートルの位置から急激に数センチだけ手元で変化するため、振り始めたバットの軌道修正が物理的に間に合いません。
結果として、木製バットの最も強度が低い部分や芯からボール半分ズレた位置に当たるため、バットを粉砕されたり、詰まったボテボテのゴロに終わる構造が生まれます。