ボディトゥボディ施術が多くの支持を集める最大の理由は、単なる筋肉の揉みほぐしを超えた自律神経系への強力な鎮静作用にあります。医学および生理学の研究において、広範囲にわたる心地よい皮膚接触(グルーミング行動)は、脳下垂体から神経伝達物質「オキシトシン」を分泌させることが立証されています。
オキシトシンは通称「愛情ホルモン」「絆ホルモン」と呼ばれ、血圧の上昇を抑え、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制する働きを持ちます。都市部で働くデスクワーカーや長時間のデジタル機器使用によって交感神経が過剰に優位になっている人々にとって、人肌の温もりを伴う持続的な圧迫刺激は、短時間で副交感神経へと切り替えるスイッチとして機能します。
社会学や臨床心理学の観点からは、現代特有の「スキントゲザー(触覚飢餓・Skin Hunger)」の解消という側面も見逃せません。リモートワークの普及や人間関係の希薄化により、日常的な身体接触が極端に減少した現代人にとって、安全が確保された環境下での温かな密着トリートメントは、深い自己受容感と安心感を取り戻す心理的セラピーの役割を果たしています。