冷たい雨が降る2007年12月14日午後7時10分頃、佐世保市名切町の「ルネサンス佐世保」の館内に、迷彩服を身にまとい白いヘルメットをかぶった男が現れました。男の手には散弾銃が握られており、受付を素通りすると迷うことなくプールエリアへと直行しました。
プールでは、金曜の夕方という時間帯もあり、多くの一般会員やジュニアスクールの子どもたちが水泳を楽しんでいました。男は突然、無言のまま銃口を向け、爆音とともに散弾を撃ち放ちました。水しぶきと硝煙、叫び声が入り乱れる極限の混乱の中、ジュニアスクールで生徒たちを指導中だった女性インストラクター・倉本舞衣さん(当時26歳)は、咄嗟に子どもたちを安全な事務室へ誘導しようと身を挺しました。しかし、先回りした犯人は水着姿の倉本さんに対し、至近距離から左脇腹へ向けて発砲したのです。
さらに、館内の異変に気づきロビー付近で犯人を制止しようと果敢に立ちはだかった会社員・藤本裕治さん(当時36歳)に対しても、犯人は容赦なく銃撃を加えました。倉本さんと藤本さんは搬送先の病院で死亡が確認されました。犯人はプールやギャラリー、事務室周辺に向けて計11発を発砲し、見学中だった保護者や小学生の女児2人を含む6名に重軽傷を負わせた後、非常口から夜の闇へと姿を消しました。