胃のムカつきを和らげるために最も即効性があり、体に害を及ぼさない方法は「解剖学的に適した体勢をとること」と「神経反射を利用したツボ刺激」です。
まず見直すべきは、胃を楽にする寝方と体勢です。人間の胃は体の左側に位置し、アルファベットの「C」の字を描くように右側(十二指腸側)へと湾曲しています。そのため、胃酸の逆流を防ぎ、胃内容物が自然と十二指腸へ流れやすくするには、「体の左側を下にして横になる(左側臥位)」姿勢が医学的な基本となります。右側を下にして寝てしまうと、胃の入り口である噴門が胃液の液面より下になり、強烈な胸焼けや酸逆流を誘発するため注意が必要です。
また、完全に水平に平らになって寝るのではなく、枕やクッションを背中の下に差し込み、上半身を15度から30度ほど起こした体勢を作ると、重力によって胃液の逆流を物理的に抑え込むことができます。ベルトや下着など腹部を締め付けているものはすべて緩め、膝を軽く曲げてお腹の緊張を解くことが重要です。
体勢を整えた上で即座に試したいのが、吐き気を和らげるツボ内関(ないかん)の刺激です。英国ガン研究所(Cancer Research UK)をはじめとする国内外の臨床研究でも、ツボ刺激(指圧)が吐き気の軽減に一定の効果を示すことが実証されています。
【内関(ないかん)の位置と正しい押し方】
手首の内側のしわから、指幅3本分(人差し指・中指・薬指)肘に向かった位置にあります。手首を握るように親指を当てると、2本の太い腱(橈側手根屈筋腱と長掌筋腱)の間にくぼみが見つかります。そこが内関です。親指の腹を当て、呼吸を止めずに「痛気持ちいい」と感じる強さで3秒から5秒かけてゆっくり押し、ゆっくり離す動作を2〜3分間繰り返してください。乗り物酔いや二日酔い、自律神経からくる胃のむかつきに対して即効性の鎮静作用を発揮します。