文藝春秋という老舗出版社がこの企画を通した背景には、単なる野次馬根性以上の計算があったことは想像に難くない。同社は小保方氏の手記『あの日』を出版した版元でもある。彼女の「声」を世に届けたメディアが、今度はその「姿」を提示する。この一連の流れは、極めて一貫した編集方針に基づいていた。
活字メディアが急速に力を失いつつあった時代において、この記事は爆発的なPVと実売数を叩き出した。スキャンダルを消費し尽くした読者に対して、次なるステージとしての「ビジュアル化」を提示する。それはジャーナリズムの敗北なのか、それとも大衆の欲望を鋭く見抜いた編集者の勝利だったのか。その境界線は今も曖昧なままだ。