転機が訪れたのは、高校2年生の秋(2005年)のことでした。それまでダンス漬けの毎日を送っていた佐藤健さんは、友人に誘われて「人生で初めて」原宿の竹下通りへと足を運びました。東京の流行発信地を歩き始めて間もなく、大手芸能事務所アミューズの女性スカウトマンから声をかけられます。
数多のスカウトが行き交う原宿において、初めて訪れた日に一発で大手事務所の目に留まるというのは、芸能界でも語り草となっている伝説的なエピソードです。当時の写真や卒業アルバムの画像を確認すると、あどけなさを残しながらも、すでに目元の涼やかさやフェイスラインの美しさは完成されており、群衆の中でも突出したオーラを放っていたことは想像に難くありません。
事務所入りを果たした翌年の2006年、ドラマ『プリンセス・プリンセスD』で俳優デビューを飾ると、その才能は瞬く間に開花します。そして高校3年生の冬、2007年1月スタートの特撮ドラマ『仮面ライダー電王』の主人公・野上良太郎役に大抜擢されました。複数の異なる人格(イマジン)に憑依されるという超難役を見事に演じ分けただけでなく、高校時代に命を削って習得したブレイクダンスのステップが劇中のアクションに取り入れられ、一躍全国区のブレイクを果たすことになったのです。