なぜ人気絶頂の熱量を誇りながら、物語最大のクライマックスを前に放送終了を余儀なくされたのでしょうか。制作会社のスタジオぎゃろっぷや放送局を取り巻く状況を精査すると、単一の失敗ではなく複数の構造的リスクが重なり合った必然の帰結が浮かび上がってきます。
最も決定的だったのは「原作ストックの追いつき」です。当時のジャンプアニメは年間4クール以上の通年放送が当たり前であり、1話で原作の2〜3話を消費するハイペースで制作されていました。アニメが王城戦の決着(2008年3月)を迎えた時点において、週刊少年ジャンプ誌上の連載は白秋ダイナソーズ戦の佳境に差し掛かった段階でした。もしアニメを継続させれば、わずか数カ月で原作の展開を完全に追い越してしまう危機に直面していたのです。
さらに、ビジネス面における「視聴率の低迷と放送枠移動」が決定打となりました。当初はゴールデンタイムである水曜19時枠でスタートし、ファミリー層や小中学生から高視聴率を獲得していたものの、テレビ東京の改編期に伴い水曜18時台の夕方枠へ移動。この枠移動によって一般層のリアルタイム視聴率が5〜6%台から2〜3%台へ半減し、スポンサー企業の広告宣伝効率が低下しました。
これらに加え、ファンの間で長年指摘されているのが「アニメーション作画への評価と制作現場の疲弊」です。原作者・村田雄介先生の描く圧倒的な筆致、超絶的なパースと筋肉の躍動感は、漫画界でもトップクラスの画力を誇ります。週刊ペースで制作を強いられる当時のテレビアニメの現場において、村田作画の熱量をセル画調の動画で忠実に再現し続けることは物理的に極めて困難でした。結果として作画の簡略化や止め絵の多用が目立ち、目の肥えたファンからの厳しい視線が制作現場に重圧を与えていた側面も否定できません。