ネット上の誤った情報や自己流の時短テクニックを真に受けて、取り返しのつかない事態に陥るケースが後を絶ちません。なかでも代表的な危険行為が、ドライヤーによる急速解凍と、鋭利な金属工具を用いた削り落とし作業です。
冷蔵庫霜取りドライヤーNG理由として家電メーカー各社が強く警告を発しているのは、庫内内壁に使用されているポリスチレンやABS樹脂といったプラスチック素材の耐熱限界(約70〜80℃)をドライヤーの温風(100〜120℃)が容易に超えてしまう点にあります。局所的に急激な熱を加えることで、内壁の歪みやひび割れ、内部に充填されている断熱発泡材の劣化を引き起こし、二度と正常な保冷機能を維持できなくなります。さらに最悪の場合、内部配線の被覆が熱で溶けてショートし、漏電や発火火災事故を招く危険性すら存在します。
もう一つの典型的な冷蔵庫の霜取り失敗と故障事例が、アイスピック、マイナスドライバー、包丁などで霜を突く行為です。直冷式の冷却器表面の薄いアルミパネルのすぐ裏側には、高圧の冷媒ガスが循環する配管が張り巡らされています。「硬い氷の隙間にちょっと刃先を入れただけ」のつもりがパイプに微細な穴を開けてしまい、「シューッ」という異音とともに冷媒ガスが漏洩して冷却不能に陥るトラブルが後を絶ちません。冷媒管の破損は部分修理が不可能であり、本体ごと買い替えるしか選択肢がなくなる全損事故となります。