メジャーシーンでトップアイドルとしての華々しいスポットライトを浴びる一方、日高氏は夜な夜な渋谷や六本木のクラブへ足を運び、アンダーグラウンドなヒップホップシーンに単身で飛び込んでいました。そこで名乗ったMCネームこそが「SKY-HI(スカイハイ)」です。
当時の日本のヒップホップカルチャーにおいて、大手芸能事務所に所属するメジャーアイドルがクラブのステージに立つことは、猛烈な逆風と色眼鏡に晒されることを意味していました。深夜のクラブイベントやオープンマイクのサイファーにおいて、日高氏は厳しい罵声を浴びせられることも日常茶飯事だったと当時の関係者は証言します。
しかし、彼は一切の特別扱いを拒み、圧倒的な「早口スキル(ファストラッパーとしての超絶技巧)」と正確無比なリズムキープ、即興のフリースタイルバトルでの勝負強さで現場のヘッズたちを黙らせました。2013年にはソロラッパーとしてメジャーデビューを果たし、インディーズとメジャー、アンダーグラウンドとポップスの境界線を自らの肉体と言葉で破壊していったのです。