1960年代の日活映画をリアルタイムで知らない世代の間でも、和泉雅子さんの昔の写真やかわいい画像が発掘されるたびに驚きの声が上がっています。大きな瞳、筋の通った鼻梁、愛嬌あふれる口元など、どこかハーフのような洗練された顔立ちが特徴的です。
1947年に東京・銀座の老舗甘味処「若松」を営む家庭に生まれた彼女は、10歳で劇団若草に入団し子役としてキャリアをスタートさせました。1961年に日活へ入社すると、その飛び抜けた存在感で瞬く間にスターダムへと駆け上がります。
特筆すべきは、単なるアイドル的女優にとどまらない圧倒的な演技力の高さでした。1963年、わずか15歳の時に主演を務めた浦山桐郎監督の映画『非行少女』では、過酷な境遇に抗いながら生きる少女・若杉シズエ役を熱演。この演技が世界中で絶賛され、第3回モスクワ国際映画祭金賞・審査員特別賞およびエドガー・バウンス賞を受賞しました。可憐なビジュアルと泥臭いまでの生命力を併せ持った和泉雅子さんの魅力は、当時の日本映画界において唯一無二の輝きを放っていたのです。