ワールドカップブラジル代表の歴代メンバーを語る上で欠かせないのが、時代ごとに世界へ戦術的衝撃を与えてきた布陣の進化です。とりわけ「史上最強チーム」として名高いのが、1970年メキシコ大会の先発イレブンです。
マリオ・ザガロ監督が率いた1970年チームは、クラブチームで背番号10を背負っていた司令塔たち(ペレ、トスタン、リベリーノ、ジェルソン、ジャイルジーニョ)をピッチ上に同時配置しました。名目上は4-3-3でありながら、攻撃時にはカルロス・アルベルトの果敢なオーバーラップを交えた流麗な可変システムを構築し、フットボールにおける美の極致を体現しました。
一方、近代サッカーにおけるブラジル代表の歴代最強フォーメーションとして推す声が多いのが、ルイス・フェリペ・スコラーリ監督が採用した2002年日韓大会の「3-4-1-2(実質3-4-2-1)」です。ロナウド、リバウド、ロナウジーニョの「3R」に攻撃の全権を委ね、カフーとロベルト・カルロスの世界屈指の両ウイングバックがサイドを制圧。エジミウソン、ルシオ、ロッキ・ジュニオールの3バックとジルベルト・シウバ、クレベルソンの中盤が強固な防壁を築いたこの布陣は、個の破壊力と守備の強度が高次元で結実した究極のバランスでした。