ネット上や地域住民の間で度々議論される疑問が、「人口が数千人規模まで減った市は、町や村に逆戻りするのか?」という点です。 結論から述べると、人口がどれほど減少しても、自動的に町や村へ「降格」する制度は日本の現行法に存在しません。 地方自治法第8条第2項には、町や村を市とするための手続き規定はあるものの、市を町や村に変更する手続きは規定されていません。自治体が自発的に名称変更の申請を行わない限り、たとえ過疎化によって人口が数千人台(例:歌志内市や夕張市など)に落ち込んだとしても、法律上の「市」の地位を維持し続けることになります。
市町村合併の経緯と全国市町村数の劇的な変化
日本の市町村数は、近代以降の3大合併期を経て大きく減少しました。 - 明治の大合併(1889年):全国約71,314の町村が15,859市町村へ統合 - 昭和の大合併(1953〜1961年):約9,868市町村が3,472市町村へ集約 - 平成の大合併(1999〜2010年):約3,232市町村が1,700番台へ半減 総務省の統計データによると、2026年現在の全国市町村数は合計1,718市町村(792市、743町、183村)となっており、これに東京の23特別区を加えた「1,741市区町村」が日本の基礎行政体制を構築しています。 この合併の過程で、市街地連坦要件や人口基準を緩和する「市町村合併特例法」が時限適用されたため、人口3万人台で誕生した市が全国に多数存在することになりました。