群馬・長野県境の車坂峠(標高1,973m)に鎮座する高峰高原ビジターセンターは、上信越高原国立公園の自然環境保全と登山者支援を担う総合拠点です。2026年現在の営業体制は、開館時間8:30〜17:00(季節・気象条件により変動あり)となっており、登山届の受付や最新の気象・火山情報の発信、さらにはモンベルフレンドショップとしてのギア販売まで高水準の機能を誇っています。
館内に併設された「ビジターカフェ」では、雄大な山並みを眺めながら味わえるハンドドリップの「浅間山ブレンドコーヒー」や、地元信州産の食材をふんだんに使った特製カレー、温かいスープセットが登山前後の疲れた身体を癒やします。また、コレクターの間で高い人気を誇るオリジナル登山バッジ(黒斑山、浅間山、高峰山など各600円〜800円前後)も充実しており、登頂の記念として買い求めるハイカーでカウンターは終日賑わいを見せています。
現在、当センター周辺がこれほどまでに激しい混雑を見せる背景には、単なるアウトドア人気にとどまらない「3つの構造的要因」が存在します。
第1に、浅間山の火山活動に伴う登山規制の影響です。浅間山本峰(前掛山)が噴火警戒レベル2などで立ち入り規制を受ける局面でも、外輪山である黒斑山(標高2,404m)までは登山が可能であるケースが多く、「浅間山の火口と噴煙を最も至近距離で安全に拝める展望地」として黒斑山へ登山者が一極集中する現象が定着しました。
第2に、マイカーで標高2,000m地点まで直延アクセスできる圧倒的なコストパフォーマンスです。通常、日本アルプスなどの高山であれば何時間も樹林帯を登り詰める必要がありますが、車坂峠なら標高差わずか約430m、片道2時間弱の歩行で森林限界を越える絶景パノラマと対面できます。
第3に、SNSの普及によって厳冬期の「雪のガトーショコラ」写真が爆発的に拡散されたことです。雪山登山初心者からベテランまでが冬期に押し寄せる結果となり、年間を通じた混雑の常態化を引き起こしています。