「船場吉兆の女将じゃねーよ」誕生秘話と現在!近藤春菜伝説ネタの真相

「船場吉兆の女将じゃねーよ」誕生秘話と現在!近藤春菜伝説ネタの真相

「船場吉兆の女将じゃねーよ」誕生秘話と現在!近藤春菜伝説ネタの真相の要点を丁寧に掘り下げてご紹介します。

ネタの爆発的な面白さを理解するうえで避けて通れないのが、元ネタとなった偽装問題経緯と、あまりにも不名誉な形で脚光を浴びた女将・湯木佐知子(ゆき さちこ)氏の存在です。船場吉兆は、日本の料理界にその名を轟かせた伝説の名料理人・湯木貞一氏が創業した高級料亭「吉兆」から、1991年にのれん分け(分社化)された直系ブランドの一つでした。

政財界の重鎮や文化人が通い詰める格式高い料亭として知られていましたが、2007年10月、百貨店(福岡・博多岩田屋)の地下売り場で販売していたプリンや団子などの洋菓子・和菓子において、賞味期限のラベル偽装が発覚します。当初は下請けのミスと弁明したものの、直後に佐賀県産地鶏を「地頭鶏(じとっこ)」と偽って販売していた地鶏偽装、さらには牛肉の産地偽装まで次々と芋づる式に明るみに出ました。

そして迎えた2007年12月10日、大阪市中央区の本社で行われた緊急謝罪会見は、日本の企業危機管理史における最大の失態として記録されることになります。登壇したのは、当時社長に就任したばかりの長男・湯木喜久男氏と、母であり取締役女将の湯木佐知子氏でした。

報道陣の厳しい追及に窮し、言葉に詰まる長男の横で、女将は扇子や手帳で口元を隠すこともなく、マイクが拾う音量で次のように指示を出し続けました。

「『頭が真っ白になった』と言いなさい」
「言わなくていい、言わなくていい」
「それも言った」
「ちょっと待ってください、と」

この小声による操り人形のようなやり取りは、会場の集音マイクによってクリアに拾われ、全国のお茶の間に生中継されました。長男を助けようとするあまり、かえって無能さを露呈させ、欺瞞を印象づけてしまったこの姿から、マスコミ各社やネット上では瞬く間に「囁き女将」「ささやき女将」の異名が定着しました。

事態はこれにとどまりませんでした。翌2008年5月、今度は客が口をつけずに残した鮎の塩焼きや刺身、わさびなどの料理を厨房で回収し、別の客に再提供していた「食べ残し使い回し事件」が内部告発によって白日の下に晒されたのです。老舗料亭の矜持を根底から覆すこの暴挙により、客足は完全に途絶え、船場吉兆は同年5月28日に廃業を表明。負債総額約8億円を抱えて破産へと追い込まれました。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。