一般的なディナー焼肉で食べ放題を選べば、1人あたり4,000円〜5,000円を超えるケースも珍しくありません。そうしたなか、札幌でいまだに目にする「焼肉食べ放題2000円台」という破格のプライシング。安かろう悪かろうの肉を出しているのではないかと勘ぐりたくなりますが、そこには明確な経営努力と北海道ならではの地理的アドバンテージが存在します。
最大の理由は、道内各地の食肉市場や提携牧場から直接仕入れる「一頭買いシステム」と中間マージンの徹底排除です。札幌市内には自社で食肉加工場を持つ飲食企業が多く、丸ごと仕入れた牛を職人が解体。カルビやロースといった花形部位だけでなく、内臓肉(ホルモン)や切り落とし、旨味の強いネックやスネ肉などを余すところなくコースに組み込むことで、驚異的な仕入れ原価率をキープしています。
さらに、読者がもっとも疑問に感じる和牛食べ放題が安い理由にもからくりがあります。高級すき焼き店で使われるような大判サーロインではなく、A4・A5ランクの道産黒毛和牛や白老牛などの「ブリスケ」「友バラ」といった赤身とサシのバランスが良い部位を、食べ放題に適した厚みにスライスして提供しているためです。形が不揃いな端材部位でも、肉質そのものは正真正銘の和牛。これに加えて、モバイルオーダーや自動配膳レーンをいち早く導入して人件費を削ることで、2026年の今も信じられない低価格を実現しています。