ドラゴンの最大の象徴であり、作画の難所でもあるのが「翼」です。鳥の羽毛翼とは異なり、ドラゴンの翼は皮膜で構成されるケースが主流です。ここで必須となる知識が、哺乳類であるコウモリの前肢構造を参考にしたドラゴン翼描き方のセオリーです。
ドラゴンの翼は、人間の「肩・肘・手首・極端に伸びた指」と完全に相同関係にあります。親指を翼の先端の鉤爪として残し、人差し指から小指にあたる骨の間に皮膜(飛膜)を張る構造を理解すると、畳んだ状態から大きく広げた状態まで自由自在に描けるようになります。
翼に圧倒的な迫力を持たせるコツは、皮膜の「張り」と「たわみ」の描き分けです。風を孕んで飛翔している瞬間は、指の骨の間で皮膜がパラシュートのように丸みを帯びて膨らみます。一方で、急降下や旋回時には強い風圧で波打つシワが入ります。指骨の関節部分に厚みを持たせ、皮膜のフチを二重線で強調して破れや血管をうっすらと透過させることで、巨大生物のスケール感が一気に際立ちます。