インターネット上や一部の週刊誌報道では、本作を巡って事実と異なる憶測や誤解が流布された時期がありました。その代表的なものが「小室哲哉との確執・絶縁説」と「作詞のゴーストライター疑惑」です。報道記録と関係者の証言をもとに、これらの噂の真偽を客観的に検証します。
まず、小室哲哉との確執説についてですが、これは完全な事実誤認です。確かにプロデュース関係は解消されたものの、それは敵対的な分裂ではなく、アーティストとしての自立を企図した前向きな合意でした。実際、小室哲哉は後年のインタビューで「奈美恵が自分で詞を書き、海外のトラックで勝負したいと言った時、アーティストとして本当に独り立ちしたと感じて嬉しかった」と述懐しています。2017年の引退前には小室哲哉作曲による『How do you feel now?』で再びタッグを組み、スタジオで笑顔を交わす姿が公式映像として公開された事実が、二人の揺るぎない絆を証明しています。
次に、安室奈美恵 Say the word 作詞に関する代作疑惑です。「歌手が急に全作詞を手掛けるのは不自然だ」という穿った見方もありましたが、制作現場では何度も推敲を重ね、本人がノートに書き殴ったフレーズをもとに、トラックの音節に合わせてミリ単位で言葉を削り出していったプロセスが記録されています。飾り立てた美辞麗句ではなく、時に素朴ですらあるストレートな言葉選びこそが、彼女本人の筆によるものである何よりの証拠と言えます。