犯行直後に劇場関係者や警備員に取り押さえられたのは、山形県出身の当時19歳の少女でした。被害者である美空ひばりと同い年だったことも、世間に強い衝撃を与えます。
事件当時、未成年であったため犯人の名前は少年法に基づき実名伏字で報じられましたが、地方の貧困家庭に生まれ育ち、家出同然で上京してきた生い立ちが捜査の過程で判明しました。
上京後の少女は住み込みの女中(家事手伝い)などを転々とし、孤独な生活を送る中で美空ひばりのレコードや映画に激しく傾倒していきました。ひばりの華々しい成功と、自身の境遇の落差に対する激しいコンプレックスが、彼女の精神を徐々に追い詰めていったとされています。