松本駅から松本城への徒歩アクセスは、ルート選びによって体験価値が180度変化します。道順は大きく分けて2通り存在します。
1つ目は、駅前大通りから本町通りを北へ直進し、千歳橋を渡って大名町通りを抜ける「最短直進ルート」。距離にして約1.1km、大人の足でスタスタ歩けば15分強で国宝の黒門前へ到達します。歩道は広くフラットで、電線が地中化された美しい景観が特徴ですが、移動そのものを急ぐビジネスライクなルートとも言えます。
編集部が強く推奨したいのが、2つ目の「縄手通り・中町通り寄り道ルート」です。駅を出てあがたの森通りを東へ進み、中町通りの白壁土蔵街へ足を踏み入れると、一気に城下町の風情が色濃くなります。
中町通りでクラフトショップや老舗の和菓子店を冷やかしながら歩き、女鳥羽川(めとばがわ)にかかる橋を渡れば、カエルの石像が迎える「縄手通り(なわてどおり)」の商店街へ合流します。名物のたい焼きや煎餅を片手に歩行者天国の路地を抜け、四柱神社へ参拝。そこから大名町通りへ戻って城へと向かうこのコースは、所要時間こそ約30〜40分に伸びるものの、旅の充実度は飛躍的に跳ね上がります。「歩くこと自体が観光になる」という松本のコンパクトシティならではの恩恵を最も享受できる動線です。