医療現場のカウンセリングや患者コミュニティ(SNS、各種Q&Aプラットフォーム)では、過剰な食事制限が引き起こす皮肉な実態が数多く報告されています。
「糖尿病予備群と診断されてから大好きな牛肉を完全に断ったが、満腹感が得られず、知らず知らずのうちに煎餅や白米のおかわりが増えてしまい、次回の検査でヘモグロビンA1c(HbA1c)が7.2%まで跳ね上がった」という50代男性の手記は、制限食に苦しむ患者の典型的な失敗例を浮き彫りにしています。
外来を担当する糖尿病専門医の取材記録においても、過度な脂質・タンパク質制限による「反動食い」や「栄養失調に伴う筋力低下」への警鐘が鳴らされています。特に60代以降の患者がタンパク質摂取を恐れて肉類を敬遠した結果、全身の骨格筋量が減少し、糖の最大の消費器官である筋肉が衰えることで、かえって血糖処理能力が低下する悪循環に陥るケースが後を絶ちません。
現場の管理栄養士は「患者に必要なのは我慢の強制ではなく、タンパク質をしっかり確保しながら飽和脂肪酸を抑える具体的な品目選びの知恵である」と証言しています。