国産スポーツの魅力は日本国内にとどまらない。『頭文字D』の峠のバトルに胸を熱くし、『ワイルド・スピード』シリーズでブライアンが駆るスカイラインGT-Rやスープラに憧れた海外ファンによる「JDM(Japanese Domestic Market)」への崇拝は、いまや社会現象の域に達している。
ポリフォニー・デジタルの『グランツーリスモ』でバーチャルな挙動を学び、土屋圭市氏の華麗なドリフト走行をYouTubeで浴びるように観て育った世代が、いま世界中で購買層の主役に躍り出た。その結果、アメリカの「25年ルール」解禁も手伝い、1990年代から2000年代初頭のRX-7(FD3S)、スカイラインGT-R(R32/R33/R34)、ランサーエボリューション、インプレッサWRXなどの中古車価格は天文学的な高騰を続けている。
部品供給の維持が課題となる一方で、世界オークションでは新車時価格の数倍から十数倍の値がつくケースも珍しくない。もはや単なる中古車ではなく、動態保存されるべき文化遺産としての価値を獲得したのだ。この熱狂は、現行型の限定車相場をも強烈に押し上げる要因となっている。