美容情報の発信が増える中で、長年信じられてきた「ヘアオイル信仰」には毛髪科学的な落とし穴が存在します。現場の毛髪診断士やトップスタイリストが指摘する、見落とされがちな盲点を検証します。
「ヘアオイルを毎日塗っているのに乾燥が進む」という現象の正体
多くの人が「オイル=保湿剤」と認識していますが、油分そのものには水分を与える機能はありません。砂漠の砂に油を垂らしても湿らないのと同様、乾燥して水分が枯渇した毛髪にオイルだけを塗り重ねると、内部はカラカラのまま表面だけがテカる「インナードライ毛」に陥ります。パサつきの根本改善には、必ず水分と保水成分を含んだヘアミルクの介在が不可欠です。
「シリコンフリー=美髪」という極端な誤認
ノンシリコン礼賛の風潮から、ヘアオイルのシリコン成分を過剰に避ける傾向が見られます。しかし、200度近い高熱を発するヘアアイロンや日々のブラッシング摩擦から毛髪を保護する機能において、ジメチコン等の高分子シリコンは極めて安全かつ優秀な被膜を形成します。問題は洗浄不足による蓄積(ビルドアップ)であり、適切なシャンプーを行っていれば過度に忌避する必要はありません。