大泉の地が「特撮・ドラマの聖地」と呼ばれる最大の理由は、1970年代から途絶えることなく続く東映特撮の制作拠点である点にあります。ニチアサ(日曜朝)の代名詞である『仮面ライダー』シリーズや『スーパー戦隊』シリーズは、ほぼすべての作品でこの大泉スタジオが主舞台となってきました。
テレビ朝日系で放送されている長寿刑事ドラマ『相棒』シリーズにおいても、警視庁特命係の部屋をはじめとする主要セットが大泉のスタジオ内に常設されています。撮影期間中には、名優たちがスタッフとともに緊迫感あふれる芝居を紡ぎ出しています。過去のインタビューや現場スタッフの手記によれば、「大泉のスタジオに入ると、独特の塗料と木材の匂い、そして半世紀以上積み重ねられた職人たちの熱気が肌に伝わってくる」と語られており、日本のエンターテインメントを支える無二の空気が漂っています。
近年、東映東京撮影所は建て替えや敷地再編、デジタル化を推進してきました。巨大LEDウォールを活用した最新鋭のバーチャルプロダクション(VPスタジオ)が本格稼働しており、昭和・平成期のアナログなオープンセット撮影と、最先端のCG・メタバース技術が融合するハイブリッドなスタジオへと進化を遂げています。