脳梗塞の治療において、最も重要な要素は「時間」だ。脳の細胞は血流が途絶えると刻一刻と壊死が進む。医療現場では、発症から治療開始までの時間が後遺症の程度を決定づけるとされている。
彼女の場合、周囲の迅速な状況判断と救急要請が功を奏した。「様子を見よう」と先延ばしにせず、ただちに医療機関へ連絡を取った判断スピードが功を奏したのだ。超急性期の治療を受けられたことで、深刻な麻痺や言語障害を最小限に抑え込むことができた。
脳卒中のサインを示す指標として「FAST(Face:顔の歪み、Arm:腕の脱力、Speech:言葉の障害、Time:発症時刻)」が知られているが、彼女のケースはこの原則を見事に体現した例と言える。