コーンの上に鎮座する薄緑色のソフトクリーム。その頂に、目の前でおろされたばかりの生ワサビが無造作に添えられる。一口含む。濃厚なミルクの甘みが広がった刹那、鮮烈な辛味と爽やかな芳香が鼻腔を突き抜ける。甘みと刺激の予期せぬ衝突。だが、これが癖になる。
使用されているのは、天城の清冽な湧水で育まれた正真正銘の伊豆産本ワサビだ。チューブ入りの加工品では決して出せない、瑞々しい水分と独特の甘味を含んだ辛さがソフトクリームの乳脂肪分と見事に調和する。現地の生産者が一本一本丁寧にすり下ろす手仕事のライブ感も手伝い、売店前には常に小さな人だかりが絶えない。
敷地内の売店では、生ワサビそのものはもちろん、茎の三杯酢漬けやワサビ味噌など、加工品も圧巻の品揃えを誇る。試食を勧める店員との気さくなやり取りの中に、天城のワサビ文化を誇りに思う地元の人々の矜持が滲み出ている。