本作のヒロイン・小橋常子のモデルとなったのは、生活総合誌『暮しの手帖』を立ち上げた実業家、大橋鎭子だ。若くして父を病気で亡くした大橋は、妹たちと母を養うため、戦中戦後の混乱期をがむしゃらに駆け抜けた。彼女が暮しの手帖社(当時の衣装研究所)を設立し、女性のための生活誌を発刊した裏には、戦後の焼け野原で途方に暮れる人々へ「日常の豊かな暮らしを取り戻してほしい」という切実な願いがあった。
商品テストや生活の知恵を徹底的に追求する姿勢は、彼女自身の極貧生活と家族を愛する執念から生まれたものだった。ドラマで描かれた数々のエピソードも、彼女が書き残した手記や遺族の証言に基づくリアルな体験がベースになっている。