銀座3丁目、松屋銀座の裏手に位置するビルの地下1階。重厚な扉を開けると、真紅のベルベットチェア、天井に輝くシャンデリア、そして静かに流れるクラシック音楽が来訪者を迎えます。現代的な無機質カフェとは対照的なこの空間は、1980年(昭和55年)に誕生しました。
運営を手掛けるのは、高級オーダースーツの代名詞として知られる「銀座英國屋」の飲食事業グループ(株式会社三和)です。英国屋グループが培ってきた仕立ての美学とおもてなしの精神は、喫茶店の設計にも色濃く反映されています。席と席の間隔はゆったりと取られ、店員の立ち居振る舞いやネルドリップ・サイフォンで丁寧に淹れられる一杯には、老舗ならではの品格が宿っています。
バブル期の喧騒から平成のデフレ期、そして多様化が進む現在に至るまで、街の景色が劇的に変化する中で、「銀座のオアシス」としての役割を頑なに守り続けてきた点が、世代を超えて熱心なファンを惹きつける最大の要因です。