肋骨骨折の回復期において、治癒を遅らせる最大の原因は「痛みが引いた直後の油断」と「過度な安静による合併症」という両極端な行動にあります。
避けるべきNG行動(受傷から4週間以内)
- 重い荷物の持ち上げや体幹を強くねじる動作:ゴルフ、テニス、水泳、ウエイトトレーニングなどは骨癒合が未熟な段階で行うと再骨折や偽関節(骨がくっつかない状態)の原因になります。
- 飲酒・長時間の熱い入浴:急性期(特に受傷後1週間)のアルコール摂取や血流の急激な促進は、骨膜の炎症と腫れを悪化させ、痛みを再燃させます。
- 浅い呼吸の継続と咳の我慢:痛みを恐れて深呼吸を全くしない状態が続くと、肺の換気不全から「無気肺」や「肺炎」を引き起こすリスクが高まります。鎮痛薬を適切に服用し、痛みをコントロールした上で、1時間に数回は深呼吸を行うことが推奨されます。
段階的なリハビリと可動域回復ストレッチ
受傷後3〜4週間が経過し、医師による画像診断で骨癒合(仮骨形成)が確認できたら、固定帯による胸郭や肩関節の拘縮(関節が固まること)を防ぐリハビリを開始します。
- 深呼吸・腹式呼吸訓練(3週目〜):椅子に深く腰掛け、痛みの出ない範囲でゆっくりと鼻から息を吸い、口から細く長く吐き出します。胸郭の柔軟性を徐々に回復させます。
- 肩甲骨の引き寄せ運動(4週目〜):両肘を曲げて後ろに軽く引き、肩甲骨を寄せる動きを行います。胸を強く張りすぎず、背中の筋肉を優しく動かす意識で行います。
- 体幹の軽度ストレッチ(5〜6週目以降):椅子に座った状態で、両手を胸の前で組み、ゆっくりと上体を左右に数度ひねります。鋭い痛みや違和感が生じた場合は直ちに中止してください。