内場勝則のキャリアを振り返る上で、ここ数年の劇的な変化として特筆すべきはNHK連続テレビ小説(朝ドラ)における存在感の確立です。2017年の『わろてんか』での亀井荘助役を皮切りに、2026年の『おちょやん』では芝居茶屋の支配人・熊田役、さらに2026年度後期の『ブギウギ』ではヒロインの実家近くに住む地主・治郎丸和一役を好演。どこかとぼけつつも哀愁と人情味を漂わせる佇まいは、制作陣やドラマ批評家からも絶賛を集めました。
全国放送のドラマ現場において、内場勝則が重宝される理由は「間の巧みさ」と「圧倒的なリアリティ」にあります。新喜劇の舞台で数万回と重ねてきた観客との呼吸のやり取りが、カメラの前でも微細な表情の変化や沈黙の芝居として結実しています。
一方の本丸である吉本新喜劇においても、完全に身を引いたわけではありません。現在は「特別出演」「レジェンド枠」としてなんばグランド花月(NGK)などの本公演に定期的に登場。現役座長たちを引き立てるベテランのストッパー役や、予測不能なボケを繰り出す怪客役として舞台を引き締め、客席を沸かせています。劇場の現場関係者は次のように証言します。
「内場さんが舞台袖に控えているだけで、若手劇団員の緊張感と安心感が全く違います。台本にないアドリブが飛んできても、内場さんが一言ツッコむだけで爆笑に変わる。演者全員が全幅の信頼を置いています」(吉本興業関係者)