エビフライやエビの天ぷら調理で最も危険なトラブルが、「油に入れた瞬間の激しい油ハネ・破裂」と「加熱でエビが丸まってしまう現象」です。これらは物理的な下処理不足が原因であり、2つのポイントを押さえるだけで完璧に制御できます。
尻尾の「水抜き」で爆発・油ハネを完全防止
エビの尻尾の中央には、鋭くとがった硬い部分「剣先(けんさき)」があります。この剣先とその周辺の尾の内部には、泥を含んだ水分が溜まりやすい袋状の空間が存在します。この水分を抜かずに高温の油へ投入すると、内部の水蒸気圧が急激に上昇して水蒸気爆発を起こし、高温の油が激しく飛び散ります。
爆発を防ぐ手順は次の通りです。
1. 尾の中央にある尖った「剣先」を根元から手またはハサミで折り取る。
2. 尾の先端を斜めに数ミリ切り落とす。
3. 包丁の刃先や背を使って、尾の付け根から先端に向けて中の水分と黒ずんだ汚れをしごき出す。
4. ペーパータオルで押し出すように水分を徹底的に拭き取る。
天ぷら・フライでエビをまっすぐ揚げる「筋切り」の極意
エビはお腹側に強い筋肉(腹側屈筋)が走っており、熱が加わるとこの筋肉が激しく収縮するため、弓なりに丸まってしまいます。背筋の伸びた美しい天ぷらを作るには、この筋肉の筋を断ち切る「筋切り」が欠かせません。
殻と背ワタを取り除いたエビの腹側を上に向け、包丁で斜めに4〜5箇所、深さ3分の1程度の切れ込みを等間隔に入れます。切れ込みを入れた後、エビをまな板の上に腹を下にして置き、親指と人差し指を使ってエビの背中を上からプチプチと音がするまで指圧して筋繊維を物理的に伸ばします。この「ポキッ」という筋が外れる感覚が出るまでしっかり伸ばすことで、高温で揚げても一切丸まらず、ピンと真っ直ぐな仕上がりを維持できます。